オルソケラトロジー
オルソケラトロジーとは
オルソケラトロジーは、専用のコンタクトレンズを使用して角膜を矯正し、視力を補正する治療法です。
この治療法は、就寝中に特殊なコンタクトレンズを装着し、角膜の形状を変えることで日中の視力を改善します。メガネや通常のコンタクトレンズを使用せずに生活できる点が大きな特徴です。
また、痛みがなく非侵襲的な方法で近視を矯正できるため、成長期のお子様にも安心してご利用いただける治療として注目されています。
オルソケラトロジーの仕組み
オルソケラトロジーでは、夜間に専用のハードコンタクトレンズを装着することで、角膜を一時的に平坦化します。
これにより、日中は裸眼でクリアな視界を得ることができ、コンタクトレンズを装用しなくても快適に過ごせます。
レンズ装着
就寝前に特殊なデザインのハードコンタクトレンズを装着します。レンズの形状によって角膜の中央部分がわずかに平坦化され、光の屈折率が調整されます。
角膜の形状変化
睡眠中にコンタクトレンズが角膜の表面に穏やかな圧力をかけることで、角膜の形状が一時的に変化します。これにより、光の焦点が正しい位置に合い、視力が改善されます。
日中の視力補正
朝にコンタクトレンズを外した後も、角膜の形状は一定時間維持されるため、日中は裸眼でクリアな視界を得ることができます。個人差はありますが、多くの方は1回の装着で1日中効果が持続します。
リバーシブルな効果
オルソケラトロジーの効果は一時的なものであり、装用を中止すれば角膜は数日~数週間で元の形状に戻ります。そのため、必要に応じて他の視力矯正方法へ切り替えることも可能です。
このように、オルソケラトロジーは非侵襲的でありながら効果的に近視を補正できる仕組みを持つ治療法として注目されています。
オルソケラトロジーのメリットとデメリット
メリット
夜間の装用のみで視力を矯正
就寝中にレンズを装用するだけで、日中は裸眼での生活が可能になります。
痛みのない矯正法
メスを使用しないため、安心して視力矯正を行えます。
効果が持続
軽度の近視の場合、レンズ装用の翌日から数日間効果が続くこともあります。
元に戻せる安心感
コンタクトレンズの装用を中止すれば、角膜は元の状態に戻るため、安全に治療を進められます。
デメリット
角膜の負担
レンズを装用することで角膜に乾燥や傷が生じるリスクがあるため、定期的なケアが必要です。
コンタクトケアが必要
通常のコンタクトレンズと同様に、レンズのケアや定期的な買い替えが必要です。
夜間の見え方に影響
まれに夜間ににじみやまぶしさを感じることがあります。
効果の維持には継続が必要
レンズの装用を中止すると、視力は元に戻ってしまいます。
オルソケラトロジーの流れ
STEP01
概要説明
まずは一度、現在の目の状態を診させていただき、オルソケラトロジーについての概要を説明させていただきます。
オルソケラトロジーは自由診療となりますので、受診後一度ご自宅で十分に考えていただき、翌日以降にお返事を頂戴します。
※新患の方は予約はお取りできない為、まずはクリニックへお問い合わせください。
STEP02
各種検査(ここからは自由診療となります)
視力検査や角膜形状検査など、オルソケラトロジーが適しているかを確認するための検査を行います。
この際、治療内容や適応状況を詳しくご説明いたします。
STEP03
レンズのお渡し・ご説明(次回来院時)
作成したレンズをお渡しし、使用方法や注意事項について丁寧にご説明いたします。
その場で装着の練習も行うため、安心して治療を始められます。
STEP04
定期検査で経過観察
治療開始後は、1週間、2週間、1か月、3か月と定期検査が必要です。
以降は3か月ごとに検査を受けていただき、目の状態やレンズのフィット具合を確認します。
異常を感じた際は、早めに受診してください。
当院でのオルソケラトロジー治療費用について
①適応検査代 | 5,000円 |
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①適応検査代について
適応検査とは
オルソケラトロジーの治療の装用に適しているか、近視の度合いや目の健康状態を調べる検査
院内トライアル体験装用
- フィッティング確認
- レンズの装着脱
- オルソケラトロジー(短時間装用後)の効果体験
②本治療(初年度)について
②本治療(初年度) | 150,000円(両眼) |
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100,000円(片眼) |
2か月目までの定期検査代、3か月目以降:1,800円/回
1年間破損保証代(片眼につき一回限り)
スターターセットとケア用品1か月分
※・・・*お試し装用保証(新規レンズお渡し日より、30日以内にレンズ返却・治療中止の場合は 150,000円(両眼)、100,000円(片眼)返金致します。
1. 初回処方レンズの度数交換保証
- 新規レンズお渡し日より90日以内であれば、片眼1回1枚に限り、度数交換が無償で可能です。
- 交換には、新規レンズの返却が必要です。
2. 破損レンズの交換保証
- レンズを破損した場合、1年以内は1回のみ無償交換が可能です。(片眼につき1枚限り)
- 破損したレンズの返却が必要であり、度数交換はできません。
3. レンズケースの交換サービス
・3か月ごとにレンズケースを無料交換いたします。(治療期間中)
4. 費用について
- 初年度費用(両眼):約160,000円
- 初年度費用(片眼):約110,000円
③2年目の以降の定期検査代について
③2年目の以降の定期検査代 | 3,000円/回(3か月に一回) |
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コンタクトレンズの交換・紛失・破損について
1. 眼科医の指示によるレンズ交換;33,000円/1枚
2. レンズの紛失時の交換費用:・33,000円/1枚
3. 2年目以降のレンズ破損時の交換費用:33,000円/1枚
オルソケラトロジー治療を開始される方へ
オルソケラトロジー治療は保険がきかない自由診療ですが高額医療費控除が受けられます。
※確定申告が必要となりますので領収書を保管ください。
- オルソケラトロジーのお試し期間は1ヶ月以内です。裸眼視力に満足いただけない場合など、何らかの事情で治療継続を希望されない場合は遠慮なく申し出てください。
- レンズの保証期間:破損した場合:片眼1回限り、1年間の無料交換
(※紛失された場合の保証はありません:1枚33,000円が必要となります。 なお、破損レンズの半分以上が必要となります) - オルソケラトロジーの治療では最高視力を確保できるものとは限りません。黒目(角膜)の形状を変化させて近視を矯正する治療となりますので、左右差等、多少のバラつきは生じる可能性があります。
- 裸眼視力1.0程度は見える方が多いのですが、最高視力や細かな左右バランスを求められる方はコンタクトレンズや眼鏡をご利用ください。
- オルソケラトロジーに使用するレンズは治療用のレンタル品とお考えください。当院での治療が継続できなくなる際はレンズをご返却いただくことになります。オルソケラトロジー治療では治療前のデータが不可欠となります。採用していない眼科も多いため、他所で治療を受けられる場合は最初から検査が必要となります。
- オルソケラトロジー用のレンズは内面に溝がある複雑なデザインですので一般的なコンタクトレンズより汚れ易くなります。2年以内には更新(作り替え)が必要となります。その際の費用はレンズ1枚につき33,000円が必要となります。
- 暗い所では瞳孔が大きく開くため、見え方が悪くなる可能性があります。夜間の運転時等にはご注意ください。
- 市販されている保存ケースは、治療用のレンズ径に対応できていないものが大多数です。治療用レンズは10mm以上と通常のハードより大きいので必ず専用ケースをご使用ください。また、ケースは3ヶ月毎に新品をご使用ください。
- レンズを装着する場合は装着液を、はずす場合には必ず人工涙液をご使用ください。
- レンズを使わなくなると、徐々にもとの近視の状態に戻ります。完全に元の状態に戻るまでには2週間ほどを要する場合がありますので、メガネを作り直す際はご相談ください。