
コラム
【山口県下関市】網膜硝子体手術とは?網膜剥離や黄斑円孔など対象疾患を解説
最近、視界の中に黒い影が見えたり、ものが歪んで見えたりすることはありませんか。
こうした変化は、網膜や硝子体といった目の奥の組織に異常が起きているサインかもしれません。
網膜はカメラでいうフィルムのような働きを持ち、その前にある硝子体は透明なゼリー状の組織で眼球内を満たしています。
この硝子体に出血や濁りが起きたり、網膜が剥がれてしまったりすると、視力が落ちるだけでなく、失明のリスクも伴います。
「年齢のせいかな」と様子を見てしまう方も多いですが、異変を感じたら早めに眼科へ相談することが大切です。
この記事では、網膜硝子体手術とはどのような治療なのか、対象となる病気、手術の流れや術後の過ごし方まで詳しくご紹介します。
網膜硝子体手術とは
網膜硝子体手術は、硝子体や網膜に異常が起きたときに行う手術です。
正式には「硝子体切除術」と呼ばれており、濁った硝子体を取り除いたり、網膜の膜をはがしたり、剥がれた網膜を元に戻したりすることで、視力の低下を防ぐ役割があります。
手術の基本的な流れ
眼球に3か所ほど小さな穴を開け、専用の器具を使って濁った硝子体を取り除きます。
必要に応じて、ガスやシリコンオイルを注入して網膜を元の位置に戻し、固定します。
手術は主に局所麻酔で行われ、時間はおおよそ30分から2時間程度です。
網膜硝子体手術が必要となる疾患
網膜剥離
網膜が眼底から剥がれてしまう病気で、放置すると失明の恐れがあります。
多くは、硝子体が網膜を引っ張ることで裂け目ができ、そこから網膜がはがれてしまう「裂孔原性網膜剥離」です。
手術では、剥がれた網膜を元に戻し、ガスやオイルで固定します。
糖尿病網膜症
糖尿病によって網膜の血管が障害されることで、出血や膜の形成が起こり視力が落ちます。
手術では、硝子体の出血や増殖膜を取り除き、必要に応じてレーザーでの治療も行います。
黄斑円孔
網膜の中心に穴があき、見ようとする部分が抜け落ちたように感じる病気です。
硝子体を取り除いた後にガスを注入し、黄斑の穴を閉じます。
術後は、うつ伏せ姿勢で過ごす必要があります。
硝子体出血
糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症が原因で起こる出血です。
視界が急に真っ暗になることもあり、手術で出血を取り除きます。
黄斑前膜(網膜前膜)
網膜の表面に薄い膜ができることで、物がゆがんで見えるようになります。
手術でこの膜をはがすことで、網膜が元の状態に戻り、視界のゆがみが改善します。
手術の適応判断と検査
網膜硝子体手術が必要かどうかは、視力の状態や病気の進行具合、全身の健康状態などを総合的に見て判断されます。
主にOCT(光干渉断層計)や眼底検査、視力検査などを行い、手術の必要性やタイミングを見極めます。
術後の経過と注意点
術後姿勢
手術の内容によっては、うつ伏せや横向きなど、一定の姿勢で過ごす必要があります。
特にガスを注入した場合は、患部にしっかりガスが当たるように姿勢を保つことが大切です。
視力回復の経過
病気の種類や重症度によって、視力が戻るまでにかかる時間は異なります。
たとえば黄斑円孔では1〜3か月、網膜剥離では数週間から数か月かかることもあり、全ての視力が元通りになるとは限りません。
網膜硝子体手術のリスクと合併症
網膜硝子体手術は、現在では安全性と成功率が高い手術とされていますが、眼内の繊細な組織を扱うため、いくつかのリスクや合併症が考えられます。
感染症(眼内炎)
手術後に最も注意が必要なのが眼内炎です。
細菌が眼内に入ることで激しい痛みや視力低下を起こすことがあり、早期発見と抗菌薬投与が必要になります。
極めて稀ですが、重症化すると失明に至る可能性もあるため、術後に強い痛みや急激な視力低下があればすぐに受診してください。
出血
術中・術後に網膜や硝子体から出血が起こる場合があります。
ほとんどは自然吸収されますが、出血量が多い場合や止血が難しい場合は再手術が必要になることもあります。
網膜剥離や再剥離
手術中に網膜が傷ついたり、術後に網膜の癒着が不十分な場合、網膜剥離が起こることがあります。
また、網膜剥離治療のために硝子体手術を行った場合でも、再発するケースがあるため、経過観察が重要です。
白内障の進行
硝子体手術後は白内障が進行しやすくなることが知られています。
特に高齢の方では、術後数ヶ月〜数年で白内障手術が必要になるケースが少なくありません。
視力回復が不十分
手術によって病変が改善しても、網膜や視神経に障害が残っている場合、期待したほど視力が回復しないことがあります。
特に病気の進行が進んでいた場合は、手術前の説明でしっかりと回復見込みを確認することが大切です。
その他
眼圧上昇や低下、角膜障害などが生じることもあります。
術後に見え方の変化や不調を感じた場合は、すぐに主治医へ相談してください。
日常生活での注意点
早期受診の重要性
視界の一部が暗い、光が見える(光視症)、飛蚊症の急増など異変を感じたらすぐ眼科受診が必要です。
規則正しい生活
糖尿病網膜症の進行予防には血糖・血圧コントロールが重要です。
網膜剥離予防には頭部外傷を避けるなど日常の注意も必要です。
網膜硝子体手術で視力を守るために
網膜硝子体手術は、視力を失う可能性のある重篤な病気に対して行う大切な手術です。
技術の進歩により、安全性や効果も向上しています。
だからこそ、「おかしいな」と思ったときにすぐ受診することが、視力を守る一番の近道になります。
気になる症状があれば、決して放置せず、早めに眼科で相談してください。
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