「緑内障ってどんな病気なの？」「原因は眼圧が高くなることだけ？」
そんなふうに感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

緑内障は、目の奥にある視神経がダメージを受けていく病気です。
放っておくと視野が狭くなり、最終的には見えなくなってしまう可能性もあります。

しかし、病気のしくみや原因をきちんと理解し、早めに検査や治療を受けることで、進行を抑えることができます。

この記事では、緑内障の原因や、関係する眼圧や房水のしくみ、治療法についてわかりやすく解説していきます。

「自分も検査を受けたほうがいいのか」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

緑内障とは？

緑内障は、視神経がじわじわと傷つき、見える範囲（視野）が少しずつ狭くなっていく病気です。
初期にはほとんど症状がないため、気づかないまま進行してしまうことも少なくありません。

実際には、見えにくさを自覚したときには、すでに進行していることも多いです。

脳がうまく見えない部分を補ってくれるため、初期は見た目ではわかりにくいのです。
日本では、緑内障が失明原因の第1位となっており、40歳以上の20人に1人がこの病気を抱えているといわれています。

緑内障の原因｜眼圧と房水の関係

眼圧とは？

眼圧とは、目の中にある液体（房水）がつくる内側からの圧力のことです。

通常は10～21mmHgの範囲で保たれていますが、この圧が高くなると視神経に負担がかかり、ダメージを受けやすくなります。

房水の役割

房水は、目の中で栄養を届けたり、老廃物を流したりする働きをしています。
毛様体という場所で作られ、目のすみ（隅角）にある線維柱帯というフィルターを通り、シュレム管という出口から排出されます。

眼圧の上昇

緑内障の原因と眼圧房水の流れがスムーズにいかなくなると、目の中に液体がたまり、眼圧が上がってしまいます。
この眼圧の上昇が、緑内障の主な原因のひとつとされています。ただし、中には眼圧が正常でも視神経が弱くてダメージを受けてしまう「正常眼圧緑内障」というタイプもあります。
日本人にはこのタイプがとても多く、油断はできません。

原因別の緑内障の種類

緑内障にはいくつかのタイプがあり、それぞれ原因や進行の仕方が異なります。

原発開放隅角緑内障

もっとも多いタイプで、線維柱帯が少しずつ詰まり、じわじわと眼圧が高くなっていきます。
自覚症状が出にくく、気づいたときには視野が欠けていたということもあります。

閉塞隅角緑内障

隅角が狭くなることで房水の流れが急にせき止められ、眼圧が一気に上がります。
目の痛みやかすみ、吐き気などの急な症状が出ることがあり、早めの対応が必要です。

正常眼圧緑内障

眼圧が正常な範囲にあるにもかかわらず、視神経がゆっくり傷ついていくタイプです。
初期は気づきにくいですが、日本ではこのタイプの患者さんが多く、定期的な検査がとても大切です。

緑内障の症状

緑内障は、視力が下がるというよりも、見える範囲が少しずつ狭くなっていく病気です。
そのため、初期のうちはほとんど症状に気づかない方がほとんどです。

初期症状・視野の一部が暗く感じる

・物にぶつかることが増えた
・車の運転中、横からの人や車が見えづらい

こうした変化に気づいた頃には、すでに症状が進んでいる可能性があります。

緑内障の検査と診断方法

眼圧検査

空気を当てたり、目に軽く触れたりして、眼圧を調べる検査です。

隅角検査

房水の出口である隅角がきちんと開いているかどうかを調べます。

視野検査

視野のどこまで見えているかを調べることで、病気の進行や治療の効果を判断します。

眼底検査

視神経の状態を観察し、ダメージの有無や程度を確認します。

緑内障の治療法

一度ダメージを受けた視神経は元に戻すことができませんが、眼圧をコントロールすることで進行をゆるやかにできます。

点眼薬治療

最も一般的な方法で、房水を減らしたり、流れやすくしたりする目薬を使います。

レーザー治療（SLT）

当院でも導入しているSLT（選択的レーザー線維柱帯形成術）は、線維柱帯にレーザーを照射しフィルターの詰まりを改善、房水排出を促すことで眼圧を下げます。

施術時間は約1分で痛みもほとんどなく、再施術も可能です。

線維柱帯切開術（トラベクロトミー）

劣化や詰まりが生じた線維柱帯を切開し、房水の流れを改善する手術です。

線維柱帯切除術（トラベクレクトミー）

線維柱帯の一部を切除して新たな排出口（バイパス）を作り、房水の流れを確保します。

緑内障インプラント手術

EXPRESS手術

線維柱帯を切除する代わりに小さな器具を挿入し、房水の流れを一定に保ちます。虹彩切除が不要で、前房出血のリスクが低く、低眼圧症の予防にもなります。

Ahmed手術・Baerveldt手術

進行した緑内障では、バルブ付き装置を眼内に埋め込むAhmed手術や、しっかり眼圧を管理するBaerveldt手術が適応となります。

まとめ

原因を理解し、早期発見・治療で視野を守る緑内障は、眼圧の変化や視神経の弱さなど、さまざまな原因が重なって起こる病気です。
ですが、早い段階で見つけて治療を始めれば、進行を抑えることができます。

山口県下関市のとね眼科では、日本眼科学会認定の専門医が、最新の検査機器と豊富な経験をもとに、一人ひとりに合わせた治療をご提案しています。
「最近視界が気になる」「家族に緑内障の人がいる」といった方は、ぜひ一度ご相談ください。

山口県下関市の「とね眼科クリニック」

山口県下関市のとね眼科クリニックでは、日本眼科学会認定の専門医が、豊富な経験と最新の機器を使って、皆様の目のお悩みに寄り添います。

白内障や緑内障の日帰り手術から、ドライアイやお子様の近視治療まで、幅広く対応しています。

地域のかかりつけ医として、いつでも安心してご相談いただける温かいクリニックを目指し、優しいドクターとスタッフが、親身に対応いたします。

どうぞ、安心してご来院ください。

とね眼科クリニック

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